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社長の時間 02 福岡


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広島を後にしてその日のうちに福岡に入る。早い目にホテルに着いたので大浴場でひとっ風呂浴びてから街に出かけた。近くの居酒屋さんに入って生のイカを食べようと思ったがあいにく売り切れだったので「まぐろのとろあぶり」を頼む。油がほどよくのっていておいしかった。本日は深酒をせずに早いこと寝ることにする。
翌朝西鉄福岡天神駅(博多駅からは地下鉄で3つ目)から大牟田方面に向かう特急に乗る。向かうは福岡県大川市。最寄りの柳川駅で特急を降り駅からタクシーに乗り込むこと15分大川産業会館に着いた。そこでは「大川夏の彩展 2010」および同時開催の2つの展示会が開催されている、福岡にはこの為に来た。昨年に引き続きなので2回目である。
大川に何があるというと「家具」がある。全国には民芸家具から差物まで様々な家具の産地があるが、現在までも盛んなのは旭川・静岡・飛騨・徳島・府中そして大川だと思う。(「大川栄作」がザベストテンでタンスを持ちあげていたなんて誰ももう知らないことだが。)
家具のトレンドを知るのなら目黒や表参道や新宿にある家具ストリートなんかに行ってみればいいんだろう。消費されるところの動向こそが一番のトレンドだと言える。だからあえて産地に行くのは本末転倒かとも思える。「nend」の代表である「佐藤オオキ」がこんなことを言ってた。「昔は大工さんや職人さんが一番のデザイナーで作る人がデザインしていた」そうだと思う。今はデザイナーがそれをやっている。売れるも売れないもデザイナーの腕みたいなものになっている。それでも、あえてそれを確かめに来た。実際に作っている人たちが今の家具のあり方をどうとらえているかを感じるために。
会場に入って何件か昨年目星を付けていたところと、面白そうなものを出しているところを廻るとあっさり出てきてしまった。僕が一番見たいブースはここには無いからだ。大川産業会館を後にして市役所の前を通り抜けると右前方に「FFC IMM WOOD GALLELY」が見えてくる。
今回大川に来て本当に良かったと思うのはやはり、また社長に出会えたことだろう。昨年もたまたま訪れたギャラリーで初めて社長と話して以来、ここには必ず何かあるとずっと思っていた。そして話し終えて間違ってなかったことに気が付いた。約30分程度貴重な時間を割いてお話をして頂き、そして新作の模型までも見せて頂いた。2011年の11月までには「株式会社サンコー」様のこの社長に作っってもらう家具を自分でデザインしてみようと思っている。僕が思うハニカムの家具を社長のもとで実現したいと思っている。大川産業会館に出店しているテイストが似ている3社の担当にただ一つだけ同じ質問をしてみた。答えは3社とも同じだった。
社長は苦労人だと思う。昨日も工場の中で家具を作って来たという。今でこそ「サンコー」という名前も表に出るようになって来たもののそれまではどっかの小売店の別名のブランドの中にいたんだと思う。いまでもネットには「サンコー」の商品に別のシリーズの名前がついていたりする。社長はとうとうアイテムが増えすぎてギャラリーには並ばないほどになって来たと嬉しそうに話す。実際に作っている人だけが感じる思いだと思う。社長にさっきの質問をしてみた。そうすると社長だけが違う答えを出した。それは僕が欲しかった答えだった。今後日本の輸入天然木を使った家具の向かうべき姿、それが本当のトレンドだと思う。「社長にあえて良かった、元気が出ます」とお礼を言った。ずいぶんなお礼だと今になって思うがそれも本当の気持だった。
社長と別れてギャラリーを出てタクシーに乗ると急にお腹がすいてきたので、タクシーの運転手に聞いてうなぎ屋さんに向かってもらった。柳川はうなぎが有名である。「元祖元吉屋」の本店に連れて行ってもらって贅沢なせいろを頂く。昨年駅前で食べたせいろもうまかったが、こちらは値段の分だけうまいように思いこむ。ことにした。お伴のエビスがうまい。(この後飲みすぎて駅で特急を乗り過ごすはめになる)そのまま福岡に戻りその足で新大阪まで帰った。今はまだ何も実現に向けた足取りはないけど、書きためたデッサンもあるしやりたいものは一杯ある。来年の末までに形にしたいと思っている。福岡はいい時間になったと思う。
柳川は水路の街である。そして川下りが有名なのだが見るだけで行ったことが無い。また何回か来ることになるだろうから、その時は必ず行きたいと思っている。そしてこんな素敵な時間を作って頂いた社員に感謝している。多分社員はそろそろ迷惑に思っていると思う。

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