Wingla Wong写真集

photobookloop.day34

Wingla Wong「第一富強/Another Day in Paradise」 Soft D Press(Hong Kong)、2019年。

Wingla Wongは香港在住の写真家であるが詳細はわからない。この本は彼女が友人Ritaと中国本土を旅した長い記録であるが、「四川に親戚を訪ね、広州に友達を訪ね、桂林に観光に行った」と紹介文通りに解釈していいものなのかどうかは迷うところだ。その証拠はRitaの祈りから始まる巻頭の写真や巻末の窓辺に向かうRitaの姿に現れているのではないだろうか?

Phil Collinsの楽曲「Another Day in Paradise(1989年)を「自分のしたことは自分に返ってくる」と訳す人がいるが、今はどうであれまずは我が身だ。

ヒロミックス写真集

photobookloop.day33

Hiromix(ヒロミックス)「girls blue」ロッキング・オン、1996年。

1995年の写真新世紀で優秀賞となり瞬く間にシンデレラガールとなった翌年にこの写真集は出版された。コンパクトカメラやインスタントカメラが全盛の時代から2000年代になって写メやデジカメが当たり前になる頃までのほんの数年だけのスタイルのように思うが、実は現代ともよく似ている。ここに映されているのはハイティーンの作家の目を通して顕となった彼女たちの日常であるが、かわいいや気持ちいい以外の若者ならではの「GIRLのBLEUな気持ち」が一杯詰まっている。必要なのは日々の生活の中で心動かされる人や物事と自分との関わり、そして自分と自分の体なのかも知れない。

百々俊二写真集

photobookloop.day32

百々俊二 Shunji Dodo「遥かなる地平 1968ー1977」赤々舎、2012年。

百々さんは1947年大阪生まれ、72年からはビジュアルアーツ専門学校・大阪校の教員として98年からは学校長として長く後進の指導に勤められた。現在は奈良市入江泰吉写真美術館の館長として奮闘されている。「45年間胸にわだかまっていた」と語る二十代で捉えた10年間の記録を世に放つべく編まれたのがこの写真集である。佐世保・東京・大阪・沖縄・福岡・岩国・大牟田・ロンドン...と様々な場所で街の気配や人々の姿を当時の時代背景とともに写す。時系列に並べられた章立ての中には愛妻節子さんの姿もあり巻末には次男武さんの誕生ショットとともに「おれ達の人生、面白くなりそうだ!!」とある。愛のある編集である。

トーマス・ルフ写真集

photobookloop.day31

Thomas Ruff(トーマス・ルフ)「Nude」Schirmer/Mosel、2003年。

トーマス・ルフはドイツ生まれの写真表現者である。社会と自己との関係性を丁寧に紐解きながらテーマを導き出し、全部または端的な部分に焦点を当てコンセプチュアルな作品を発表し続けている。そういう意味では2016年に日本で開催された大規模な展覧会(金沢21世紀美術館で鑑賞)は全貌を見渡すことができて興味深かった。本作はインターネットに氾濫しているポルノ画像をもとに手を加えたもの。現実を写すはずの写真は常に2時的創作物である事を実感する。

トーマス・ルフ写真集

photobookloop.day30

Pixy Liao(ピクシー・リャオ)「Experimental Relationship vol.1(2007-2017)」Jiazazhi Press(中国)、2018年。

ピクシー・リャオは中国・上海生まれ。現在はブルックリン在住のアーティストである。ピクシーより5歳年下の彼氏である日本人モロとの出会いは、長年彼女が抱いていた男女や性や力などの「関係性」について一から考え直す機会となった。この写真集はその10年間の実験的関係の記録(一部For your eyes onlyのものも含む)である。握られた手にカメラのリモコンが映り込むあたりがテーマ性をよく表している。ピクシー曰く「モロと一緒にいる限りこのプロジェクトは続けるつもり」と言うことだ。vol2もあるかも知れない。