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7大都市と言われる日本の大都市の中で、札幌は緑地が多いことでも知られる。その多くは大学の構内であり植物園であり公園である。札幌市街の西側にある円山公園は、円山と呼ばれるこんもりした山を中心に広がっており、園内には動物園や球場、そして北海道神宮がある。北海道の開拓の歴史はそのまま近代日本の歩みと共にあり、明治と言う時代を色濃く映し出している。それは北海道神宮の御祭神の一人に明治天皇を祀っていることでもよくわかる。

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丸山公園駅で地下鉄を降りて地上に上がって来るともう公園の入り口で、そこからカラ松やエゾ松の林を抜け、最初の鳥居までやって来る頃には静寂に包みこまれた世界になる。札幌を出てわずか数10分後の出来事とは思えない。まだ新しい鳥居をくぐって参道を歩くと、ひときわ大きな木にたびたび出会うことがある。

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近付いて見るとしめ縄の巻かれた大きな木の幹には札が掛けられており、カシワ ブナ科 樹齢430年と書いてある。

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見上げると雨上がりの曇った空からではあるが、明るい光が差し込んで黄緑色のカシワの葉を通してうす黄緑色のやさしい光が降りて来る。

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この木がどれだけ大きいかと言うと、ちょうど通りかかった人の大きさと比べていただけるとわかりやすい。大木に心を寄せる人は多いと聞くが、この人もこの後何分もこの木に耳を寄せて木の息遣いを聞いていた。

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札幌に何度か足を運ぶようになって観光地以外にももっと足を運ばないと。と思うのだが、なにぶん日程がそんなにとれるわけが無く、冬であればなおさら出向こうとも思わない。たまに時間が出来てあたふたしてしまうのであれば、僕はここをお勧めする。こんな札幌の近くにこんな静かでパワーのみなぎっている場所は滅多にないと思うからである。手入れと言う意味では行き届いている、キレイと言う意味では最善の注意がなされている。ふと気付くと子供達が摘んだ花が置いてあったり、松ぼっくりがテーブルの上に並べたあったり、鳥の巣箱がこそっと吊るされてあったり、人の手がさりげなく入れられていて気分がいい。

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本殿が見えて来る。平日の午後で人出もまばらという感じで、車の安全の為の祈祷をする人とか子供のお守りをもらいに来る父母のみなさんとかが足を運んでいる。本殿が新しいのは放火で昭和49年に焼失しその後昭和53年に復興したからである。しめ縄に俵が載せてあるのが珍しい。

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境内を出てさらに坂をどんどん進むと山頂にさっぽろ円山動物園がある。最近では旭川にある旭山動物園が大人気だが、ここではマルヤマンなるキャラクターで人気を博そうとしている。動物園は休日なら家族連れやカップルでにぎわうだろうが、平日は静かでいい。午前中雨だったせいかほとんどの動物が屋根のある檻の展示室にいて、さながら園内はもぬけの殻状態ではあるが、気を遣ってか動物達も最低限のお迎えはしてくれる。

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もともと円山動物園には双子のホッキョクグマの子供がいるというのでわくわくして訪れたのだが、何処を探してもそんなものはいない。あるのは双子のかわいいパネルと大ホッキョクグマだけだった。優に2mは越えている。

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目が遭うとちょっとドキッとする。北海道開拓時代の話。開拓使達はエゾシカを食料として乱獲する。餌に困ったエゾオオカミ達は今度は開拓使達の馬を狙うようになる。困った開拓使達はエゾオオカミを駆除し始める。エゾオオカミが絶滅した明治の時代、日本人にとってもエゾオオカミ達にとっても生き辛い苦難の時代だったのだ。今ここにいる狼はカナダなどにいるシンリンオオカミという種類でエゾオオカミとはほとんど同じ種類だと言われている。④に続く。

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