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昭和19年6月、麦畑の真ん中から突如噴火が始まり、翌20年9月には高さ175mの昭和新山が現れる。上のポスターを見ると街のすぐそこで噴煙があがる様子がよくわかる。いきなりそこに山が出来るのだから、その当時の驚きはすさまじかったと思われる。北海道ではそんなことも起こる。北海道という地球はまだまだ生きているのだ。

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昭和新山のあるこのあたりは支笏洞爺(しこつとうや)国立公園の中にあり、日本で初めて世界ジオパークに登録された。カルデラ湖である支笏湖・洞爺湖を中心に、羊蹄山、有珠山などの火山活動で出来た自然景観で構成されており、何といっても登別・定山渓・洞爺湖といった北海道を代表する温泉が点在する。しかも大都市札幌からもすぐという交通の便に恵まれて、年間千二百万人もの人が訪れている。

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札幌市街から高速を使って1時間も走れば乳白色のお湯で有名な登別温泉がある。街のあちこちで鬼がお出迎えをしてくれるが、その先に地獄があるのだから当たり前なのだ。九州にもあるような地獄谷をひと一通り歩いて、その先の大湯沼を目指す。5月だというのに雪に道を阻まれながら進むとボコボコと湯けむりを上げる濃いグレーの沼にたどり着く。なんともこの池に放り込まれると思うとそれは地獄に違いない。

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山道を先に進むと湧きだした温泉が流れ出している川があってその先では足湯のスポットがある。外国から来ている観光客もたくさんいて皆同じような反応を示している。

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さらに車で南に下って行くと有珠山の下までやって来る。ロープーウェーに乗り込んで有珠山山頂を目指す。途中見下ろすと昭和新山の中腹からは依然ガスか水蒸気の様なものが上がっているのがわかる。火山は60年経てもまだ冷えることは無いのだ。

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洞爺湖を望む高さまで上がって来ると湖畔のすぐ近くに昭和新山があるのがわかる。さらに湖の真ん中に丸いこんもりとした中島があるのが見える。もっと先に見えるだろうか。そのさらに奥に羊蹄山の雄大な姿がシルエットで浮かびあがっている。

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有珠山の山頂はその他の火山の特徴と同じで、噴火当時から全くもって変わることのないゴツゴツとした景色と、徐々に風化してやさしいイメージに変化して行く景色がある。春を迎えようとしている北海道ではいま、ふきのとうの最盛期を迎えている。

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洞爺湖の夜は観光花火で迎えてくれる。湖に浮かんだ船から打ち上げられる花火は大変厳かにそして盛大に観光客の僕達を迎えてくれるのだ。そんな湖の風景も翌朝には一変する。

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4時43分。洞爺湖を望むホテルからの絶景。

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4時49分

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4時53分

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5時29分。霧が中島を覆う。湖畔から。

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幻想的な風景に後ろ髪を引かれる想いで、帰り道は下道で札幌を目指す。道中よく晴れた青い空に白い雪をいただい羊蹄山が姿を見せてくれたので、はしゃぎすぎて運転が危なくて仕方がない。

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でもまあ仕方がないのだ。大自然なのだから。北海道に行かれる方は多いと思うが、時間をかけて大自然と向き合える時間を作れるような旅がこの先もっと増えることを祈りつつ、北の大地をゆくはこれで終わる。

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